固定概念は行動をコントロールする

文化
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「日本人は雨が一粒降ってきただけでも傘をさす」

と揶揄されることがあるように

日本人は雨に濡れるのを嫌がる国民性のようです。

 

かくいう私も日本に住んでいた頃はそうでした。

雨が降りそうなときは必ず傘を持ち歩き

雨がほんの少しふっただけでも傘をさしました。

 

ところがノルウェーに住むようになってから

その行動は一変されました。

 

ノルウェーは日本ほど天気が安定していないため

数週間ずっと雨が続くことがあります。

そんな時でもノルウェー人は

普通に散歩をしたり、ジョギングを楽しんでいます。

 

傍から見るとまるで雨など降っていないかのようです。

なぜなら、傘をさすわけでもなく、

カッパを着ることもなく、

いつもと変わらない服装で外を歩いているからです。

 

ノルウェー人は

「雨なんてただの水じゃない。

乾けばなんてことないよ」と言います。

確かにそうです。

でも日本に住んでいると

何故かそういう考えにならないのですよね。

 

なぜなら、

私達は日本に住んでいると

日本人がもつ固定概念を共有するからなのです。

日本人なら子供の頃に

こう言われたことがあるのではないでしょうか?

 

雨に濡れると風邪を引くよ

 

この言葉を聞かされて育っていくうちに

この言葉を信念として受け入れてしまうのです。

 

すると大人になっても雨に濡れてはいけないと思い

少量の雨でもすぐに傘をさそうとするわけです。

これはほんの一例ですが

雨にまつわるいろいろな言われ方を通して

私達は傘をささずにはいられなくなってしまったのです。

 

今朝は雨が降っていたのですが

毎日の楽しみである散歩をやめてしまうのは残念だったので

傘をさしてでかけました。

3キロあまりの道中で

10数人のノルウェー人とすれ違いましたが

その全員は傘をさしておらず、

カッパもきていませんでした。

そのうちの数人は

ウインドブレーカーのフードをかぶっていましたが

残りの人は全て晴れの日と全く変わらない服装で

歩いたりジョギングをしたりしていました。

 

驚くべきことに、

そのうちの1人は高齢のご婦人でした。

日本だったら考えられませんよね。

80歳すぎたおばあちゃんが、

雨の日に傘もささずに森へでかけるなんて。。。。

 

ささいなことにも

固定概念でしばられている私たち

異文化に触れるとたくさんの気づきをえられます